こんにちは!
リーディングを勉強していると、文字が多くて目が滑ってしまう、集中力が
途切れてしまうなど、様々なお悩みがあるかと思います。
私も、TOEICや英検の勉強初期の頃は、長文がスラスラ読めず、試験終わりは極度の
疲労感でいっぱいでした。
そんな時、中級者の学習には多読が良いとの情報を目にしました。
しかし、洋書を読み始めると、色々な壁にぶつかりました。
例えば、
- ネイティブ向けの洋書は単語や構文は複雑で、中々続けられない。
- 絵本も歯ごたえがあって面白いけれど、文章量がこなせない。
- 多読初心者の私にしっくり来る本がなかなか見つからない…。などなど。
そんな時にたどり着いたのが『ラダーシリーズ』でした。
『ラダーシリーズ』は学習者にとって有名な多読教材です。
ラダーシリーズの特徴は、以下3点が挙げられます。
ラダーシリーズの特徴
まず、ラダーシリーズは単語や文法がレベル毎に縛りがあるため、多読初心者に親切な設計です。
わからない箇所を調べる手間が減る分、多読に集中しやすくなります。
また、学校の授業で習った物語や有名な偉人伝など、馴染みの作品が揃っています。
0から理解する負担が減るので、より多読の世界に集中できるでしょう。
さらに、オーディオブックを活用することで、文章を前から理解する助けになるはずです。
加えて、集中力にむらがある私でも、オーディオブックを活用して、およそ1日1冊のペースで
読み終えることができました。
オーディオブックはaudiobook.jpで会員登録することで聞くことができます。
無料期間があるので、登録中の無料期間を利用して、気に入った内容があれば購入するのも
良いでしょう。
ただし、全ての『ラダーシリーズ』が「オーディオブック」に対応していません。
そのため、本を購入する前に対応しているか確認するのが安心です。
多読を始める前に行っていたこと
余談ですが、ラダーシリーズを始める前の私は、単語は下記のものを順番にこなしていました。
・ターゲット1900
・TOEICの金のフレーズ
・パス単の準1級
文法は高校時代に総合英語を使用しており、それを繰り返し読んでいました。
また、流し読みをしてわかった気になる癖があったため、精読の練習もしていました。
・英文読解入門基本はここだ!
・ポレポレ50
他にも色々していましたが、このなかで多読を始める前に特に役立ったことは、単語をひたすら
覚えて語彙数を増やしたことかなと思います。もちろん、文法も解釈の勉強も同じくらい大切ですが、単語がわからなければ多読のテンポ感も悪くなります。個人的な感覚ですが、わからない単語が5~6割になると、読むスピードが落ちました。
補足ですが、ターゲット1900と金フレを覚えた後に、パス単の準1級をこなしたところ、文章の理解がグッとクリアになりました。ネイティブの低学年向けの洋書にも、準1級レベル単語がバシバシ出てきますね。ラダーシリーズ読破後のステップアップを考えると、パス単準1級をしておくのは後々が楽だと思います。
15冊読み切った後の変化
まず、特に変化を感じたのが、読むスタミナでした。
最初の多読に慣れない段階だと、1冊読むだけでも一苦労です。
私は最初のうちは1日1冊読むだけで疲労困憊でした。
英語を英語のまま理解する、前から文章を理解していくのは、初めは頭が痛くなるくらい
しんどいかったです。
しかし、読みこなしていくほど、不思議と長文を読むのがだんだんと楽になっていきました。
これとオーディオブックを併用したことで、返り読みをする時間が減り、読むスピードも
上がりました。聴覚の情報を使って意識を向けさせたことで、無駄に考える時間を減ったから
かもしれません。
また、ラダーシリーズ自体、文章がシンプルで修飾語が少な目で、文の骨格が掴みやすいと
感じました。以前の私は全部の文章をわかろうと、必死で読んでいました。
全部の意味がわからないと理解できないと思い込んでいたんだと思います。
しかし、骨格を意識するようになり必要最低限の情報に注意が向いたことで、
大枠の意味は意外と取れる事に気づき、変な気構えが減ったのを感じました。
あとは、長文に対する抵抗感がかなり減りました。
以前は長文問題を見るだけでげんなりしていたのですが、それが冷静な気持ちで眺められるように
なりました。1冊約1万語で長文問題よりも多い分量をこなしているので、問題文程度でうろたえなくなる感じでしょうか。
抵抗感があると自信をなくしてしまいがちですし、試験中に悪いことが頭をよぎると、それだけで
闘志が落ちてしまいます(笑) 確実に1点を取るためにも、抵抗感は侮れないと感じます。
実際の読み方
多少の単語や意味が取れなかった場合であれば、なんとなくわかれば先に読み進めました。
あとは、単語を調べるなどの余計な作業をしないように、本選びにも気を付けました。
例えば、
- 前提知識があるもの
- 日本語版があるもの
- 興味がある・ワクワクする内容
- 現在のレベルよりも少し簡単なもの
を基準に選びました。とにかく、
1⃣多読に集中する、2⃣返り読みをしない、3⃣英語のままで理解する
という状態を作るのを優先しました。
レベルが高くなると、1ページ辺りの単語や構文、意味がなんとなく取れないなどの場面も
ありました。その場合、もう一度読み直すと理解できることが多かったため、わからないこと
があってもまずは読み進めました。その代わりに、後ろのページから前の内容が推測できないかを常に意識していました。
こんな感じでしたが、楽しむことを第一に、時にはオーディオブックの速度を変えて
じっくり読んだり、ストーリーを深く理解したい場合はたまに返り読みもしていました。
参考までに私が読んだラダーシリーズを下に記載しました。
参考
Level | タイトル | 日本語タイトル | 単語数 | オーディオブック対応 |
1 | The Albert Einstein Story | アインシュタイン・ ストーリー | 9480 | 〇 |
1 | Beauty and the Beast | 美女と野獣 | 6050 | 〇 |
2 | Signposts For Balance In Love and Work | 恋と仕事にスグ効く英語100 | 15410 | 〇 |
2 | O. Henry’s American Scenes | オー・ヘンリー短編集 | 13210 | 〇 |
2 | Roman Holiday | ローマの休日 | 10000 | 〇 |
2 | The Story of Anne Frank | アンネ・フランク物語 | 14670 | 〇 |
3 | The Chrysanthemum and the Sword | 菊と刀 | 19630 | 〇 |
4 | Japan FAQ | ジャパンFAQ | 21650 | 〇 |
4 | The Steve Jobs Story | スティーブ・ジョブズ ストーリー | 10670 | 〇 |
4 | Enjoy your Visit | アメリカに行こう | 20080 | 〇 |
4 | The Book of tea | 茶の湯 | 9810 | × |
4 | And Then There Were None | そして誰もいなくなった | 14500 | 〇 |
5 | Japan A Short History | 日本小史 | 18500 | 〇 |
5 | Bushido: The Soul of Japan | 武士道 | 16800 | 〇 |
5 | The Man Who Planted Trees | 木を植えた男 | 4060 | × |
計204,520 文字 |
注意点
ラダーシリーズは良いところもありますが、値段が気になるところです。
1冊のお値段が1000円前後のため、1冊辺りのコスパは洋書の方に軍配が上がります。
逆を言えば、ラダーシリーズはページ数が少ない分、読み終える時間もさほどかかり
ません。読んだ分だけ達成感が増しますし、巻末にも詳細な単語リストがあるので、
多読初心者に優しい設計だと感じました。
最初はラダーシリーズから始めて、徐々に洋書へ移行するのがスムーズかなと思います。
また、図書館やkindleのセール、メルカリやブックオフなどの古本もうまく活用すれば、
無理なく多くの『ラダーシリーズ』に触れられると思います。
これから多読生活を始められる方はぜひ楽しんでください!